買取サイト(広告)

book-station バイキング フィギュア買取 買取30% 古本・漫画セット高価買取Vaboo
あなたにとって必要のないものでも、どこかでそれを待っている人がいます
それらを是非世の中へ、市場へ
押入れの奥で眠っている本、グッズたちに光あれ!!

2017年5月22日月曜日

「タケコプターでとべば、同じことじゃないか。」【ドラえもん】/機能を果たせばいいってことではない気持ち

ドラえもんは今からおよそ40年前に連載を開始した作品です。

数々の便利な機械を22世紀の「ひみつ道具」として紹介してきましたが、

その中には既に実現しているものも少なくありません。


ドラえもん (24) (てんとう虫コミックス)


それって凄く夢のある話ですよね。

今日はそのような道具の中からひとつ紹介したいと思います。



[テクスト]のび太のヘリコプター @ てんとう虫コミックス 第24巻 等

この挿絵を見て大体のひみつ道具の機能は分かるでしょう。

これを機能的に実現するには何が必要でしょうかね?

まずはヘリコプターでしょう。

これは確かにドローンのようなものであれば完璧でしょうが、ラジコンのヘリコプターでも充分でしょうね。

しかしそれだけならばこの作品の発表時にも充分実現できていました。

問題はそれに取り付けられる小型カメラ、それもリアルタイムに映像が見られるビデオカメラが重要ですね。

これこそが21世紀の今実現化したといえる技術でしょう。

スマートフォン等で簡単に実装できますからね。

どうやったらこれを実現化できるだろう・・・・・そういったことを考えること自体とてもワクワクすることですよね。

ところでお話の内容ですが、いつものようにスネ夫くんの自慢話から始まります。

ヘリコプターに乗って自分たちの町の写真を撮ったんだという自慢ですね。

それを聞いたのび太くんは悔しくなってドラえもんにヘリコプターをねだるのですが、ドラえもんは素っ気なくこう返します。

タケコプターでとべば、同じことじゃないか。

違う、違うんですよねぇ。

機能を欲しているんじゃなくて、それが欲しいんです。

子どもと母親の会話で良くありがちではないでしょうか?

ビックリマンシールが欲しかったのに「シールだから同じでしょう」と訳の分からないシールを買ってこられたときの気分でしょうか(笑)

同じような行き違いは大人になってからも主に夫婦間でよく生じますよね。

しかし結局はのび太くんも、ヘリコプターではなく小型ヘリコプターを操縦することで納得しているんですけどね。

自分の望みが100%叶わなくても、その代替案で納得していく。それは人生にとって大切なことですよね。

このお話の続きで、逆にやりかえされたスネ夫くんは悔しくなってとんでもない反撃をします。


何と彼はパチンコを常備しているんですね!

およそ大金持ちとは思えない武器を常備しているというのはどういうことなのでしょうか。

ひょっとしたら、危険物所持として捕まらないラインを考えてのことなのかも知れませんね。

老使徒


てんとう虫コミックス ドラえもん 全45巻セット

2017年5月11日木曜日

「一ページめからたべなおしだ。」【ドラえもん】/原作とアニメの性格の違いが良く分かる話

最近は漫画やアニメの実写化が流行っているようですね。

そういった際に必ずといっていいほど論争になるのが、原作との違い。

原作ファンからするとちょっとした違いにも敏感になり、攻撃の材料にしてしまうようですね。

漫画の場合も藤子作品に限らず、アニメから入ったという人は多いでしょう。

藤子不二雄先生自身は原作とアニメは違うものだと捉えていたそうで、その違いをむしろ楽しんでいたといいます。

今日はそんな原作とアニメの違いが分かる話しを紹介しましょう。


ドラえもん (2) (てんとう虫コミックス)


アニメで観た記憶がある方も多いかと思う、ドラえもんの名作です。


[テクスト]テストにアンキパン @ てんとう虫コミックス 第2巻 等


のっけから名シーンですね(笑)

明日のテストに困っているはずなのになぜか枕とやかんを持って走り回っています。

ところが理由を聞いたドラえもんは

なあんだ。

と言って部屋を出て行こうとします。

この後のやりとりがまた面白い。

学校を吹き飛ばそうと言ったり、先生をゴリラにしようと乱暴な提案をしたり。

ようするに、ただただ助けるつもりはなく、戒めようとしているんですね。

この辺りは特にアニメ版のドラえもんとの違いはないですかね。

ちなみに、この2つのアイテムの内1つは後ほど活用しますね。

そこで出すのが『アンキパン』です。

冷静に考えればこんなに効率の悪い道具はないですよね。

利口な読者ならば悪い予感はこの時点でします(笑)

そしてのび太くんは静香ちゃんの家へ行きます。

そこで、アンキパンで気を良くしたのび太くんが記憶力に自信があることを自慢した際の静香ちゃんの返しです。

クラスでいちばんわすれんぼのあんたが?

そう言ってお腹を抱えて笑っています。

一応「ホホホ」と上品に笑ってみせていますが、アニメ版の静香ちゃんを見慣れている人からすると意外な一面かもしれませんね。

原作では結構「あんた」と呼んでいる場面はあるのですが、アニメ版では一貫して「のび太さん」だと思います。この辺も違和感があるかも知れませんね。

ともかくも、そう言われたのび太くんは余計なことにアンキパンを使って電話帳の番号を覚えたり、そうかと思ったらおやつに出された草もちを食べたりと後先を考えないことをしています。


マン・ネン 黒ごまきな粉ちぎり草もち 180g×10袋セット 0046


そして家に帰ったら家に帰ったで、母の日ということでおとうさんが豪勢な料理を作ってくれてるもんだからそれを食べなくてはいけなくなったり。

アンキパン学習法に適さない状況が作られていきます。

しかしまだテスト範囲を覚えきっていないのび太くんに、ドラえもんは厳しい言葉を投げつけます。

水でながしこめっ。

そして馬乗りになって鬼の形相で口にパンを詰め込むんです。

なにがなんでも、ぜんぶたべさせる。

う~ん、徹底したスパルタ教育ですね。

ただこの画はこのご時勢では完全に放送不可でしょう。

そして予想通り、次の朝全て下してしまいます。

ところがドラえもんはそれを心配するどころか、

一ページめからたべなおしだ。

と、最後までスパルタ教育を徹底しようとします。

最後のび太くんが

勉強はつらいなあ。

と言いながらパンを食べている姿は、どこか間が抜けているというか、 微笑ましささえ感じてしまいますね。

それでも皆さんはアンキパンが欲しいと思ったことがありますか?

私は・・・・・実はありますよ(笑)

老使徒


藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん コミック 1-20巻セット (藤子・F・不二雄大全集 第3期)

2017年5月7日日曜日

「時代劇が行く・・・・・」【T・Pぼん】/楽しんで描いていることが伝わってくる、歴史物漫画

藤子・F・不二雄こと藤本先生は歴史が好きだったたことは有名ですね。

未来を設定にした作品が多い印象の藤本先生ですが、

その中でも舞台を過去にしている話も多くありますね。

ドラえもんがその良い例のひとつでしょう。

そして、今日ご紹介するものはその中でも真正面から歴史を扱っている作品、

T・Pぼん(タイムパトロールぼん)です。


T・Pぼん 1 スペシャル版 (希望コミックス)



タイムパトロールといえばドラえもんでも度々登場しますね。

もちろんドラえもんでは重要な役とはいえ脇役としての登場ですが、

それをメインに据えたのがこの作品です。

ですが、確かにタイムパトロールという時代を超えた警察活動のようなものは描かれていますが、

本質は藤本先生が大好きだった「歴史を描くこと」だったのでしょう。

それだけに、藤本先生自身が楽しんで描いていることが伝わってくる、楽しい作品です。

ただし、他の多くの作品と比べるとやや読者層を高めに想定しているため、

第1話から結構きつめのシーンがあったりもします。


[テクスト]消されてたまるか @ 希望コミックス 第1巻 等

タイトルからして衝撃的ですね。

タイムパトロールの隊員であるリームにより、主人公であるぼんの周辺で起こる不幸な事故の処理が行われようとします。

しかし手違いによって不完全な処理になってしまいます。

一瞬遅れてしまうんですね。

こんな衝撃的なシーンはなかなか他の作品では見られませんよ。


ぼんが誤って友達を突き落としてしまうんですね。

その後リームは禁断の手で何とかこれを解決するのですが、このめまぐるしい展開ぼんも読者もついていけません(笑)

一旦落ち着こうと切り株に寝そべるぼんが、ふとタイムボートを見つけ、思わず操作してしまいます。

そして700年前の世界にタイムスリップしてしまいます。

ここまで来ると読者もついていくのにいっぱいいっぱいですが、さすがぼんは冷静です。

でも・・・・・もう おどろかない
いちいち おどろいてちゃ 身がもたないよ

と言ってから発狂します。

そのまま夜になり、すぐ傍を侍の行列が通り過ぎて行きます。

時代劇が行く・・・・・

このセリフがきっかけとなって、このお話の種明かしが読者に対してもなされていきます。

藤本先生はこの作品と通して、様々な時代劇を描きたかったのだろうと思います。

その決意表明のようなものがこのセリフからも感じ取れますね。

ともかくも、その後まだひと悶着あって、ぼんは見習いの隊員となります。

この話ではメインが『現在』だったので時代劇要素は少なかったですが、

この後の話では様々な舞台で色々な『時代劇』が描かれることになります。

歴史が好きな方も、それ程でもない方も、とても惹きこまれる作品ですよ。

ぜひ一度読んでみて下さい。

老使徒


藤子・F・不二雄大全集 T・Pぼん 1: 藤子・F・不二雄大全集 第3期

2017年5月4日木曜日

「ま、まるでSFまんがにでてくる・・・・・、未来都市じゃないか。」【みきおとミキオ】/やっぱりワクワクさせてくれる、タイムスリップ漫画

今日はみどりの日ですね。

時々こんがらがってしまうのですが、元々みどりの日とされていた4月29日は昭和の日と変更されましたからね。

そんなみどりの日ですから、昭和を感じてみるのもいいでしょう。

今日ご紹介するのは、あまり知られていない作品かもしれません、みきおとミキオです。

藤子・F・不二雄先生の作品です。


みきおとミキオ〈第1巻〉 (1978年) (てんとう虫コミックス)


前回、前々回と『異色の作品』として2作品紹介させていただきましたが、

このみきおとミキオは定番でお得意タイムスリップ系漫画です。

もうそれだけでワクワクして来ますよね。

それでは第1話を見て行きましょう。


 [テクスト]100年後の世界へ @ てんとう虫コミックス 第1巻 等

扉絵だけで大体の設定が理解できるのもテクニックですね。

人物設定は少年で、これまたお得意安定の設定です。

これだけで読者であった当時の少年少女は安心して入り込めたことでしょう。

そして現在の「みきお」が何らかの方法で100年後にタイムスリップして「ミキオ」に会うんだなということがこの扉絵から想像することができます。

(みきおの格好から、どこかに落ちてタイムスリップするんだなということが分かりますよね)

そしてページを開くと、まずはみきおの周辺でちょっとした事件(物がなくなる)が起きます。

この辺りの流れは、流石に手馴れてるなあと感じさせますね。

そしてみきおは画像の右下の生き物(イヌらしいです・・・)を追いかけて、タイムトンネルに落ちてしまいます。

その後、当然現在の世界では大騒動です。


ところで、先程から現在現在と言っておりますが、この作品における現在の設定は1974年です。

この辺のコマからも昭和の空気感が出てますよね。

ここは太平洋戦争ちゅうの防空壕のあとだ。

私の子どもの頃なんかもそういった場所が多くあって、子どもたちの良い遊び場、肝試し場でしたね。

防空壕跡には、得体の知れなさ、怖さ、そして一方で不可思議な現象への期待が子ども心の中にありましたよね。

そんなこんなで、この中のタイムトンネルを通って100年後(2074年)の世界へ行きます。

 ま、まるでSFまんがにでてくる・・・・・、未来都市じゃないか。

メタ発言が飛び出します(笑)

この辺も笑いの部分でもあり、テクニックでもありますね。

そして姿かたちの似た100年後のミキオと出会い、1時間だけの約束で世界の交換をします。

こんな感じで始まるお話です。

藤子作品を読みなれた人ならごく自然に入り込める世界観です。

是非こんな機会に手にとってみてくださいね。

老使徒


藤子・F・不二雄大全集 みきおとミキオ/バウバウ大臣

2017年5月2日火曜日

「もう、まちがいないわ。あたしは超能力者(エスパー)!!」【エスパー魔美】/やや大人向けの作品

今日は藤子・F・不二雄先生の作品からエスパー魔美です。


エスパー魔美 1 (てんとう虫コミックス)


エスパー魔美もまた、異色な作品として藤子ファンからの支持が高いですね。

前回の21エモンでも異色だと言いましたが、

エスパー魔美の異色な点は、何といっても中学生の女の子が主人公であるということ。

それによって他作品とは違う要素が出てきます。

それでは今日はその導入編として第1話を紹介しましょう。


[テクスト]エスパーはだれ? @ てんとう虫コミックス 第1巻 等

エスパー魔美は一言で言うと、やや大人向けの作品です。

これは決して、エッチなシーンが含まれているからという意味ではありません。

登場人物が中学生であるという点から心理描写が細かかったり、

題材そのものが社会問題であったりと、子どもにはやや難しいものが含まれているからです。

もちろん、エッチなシーンもあるのですが・・・・・。


魔美のヌードデッサンをふと手にしてしまった高畑くんの顔(笑)

このあとのやりとりがいいんです。大人でもない子どもでもない、微妙な年齢特有の率直さと照れが入り混じっている感じが。

この作品においても、やはり登場人物が魅力的ですね。

まずは何といっても主人公である魔美

可愛いのにあっけらかんとしていて、罪なほど純粋で、子どもっぽい位に正義感が強い。

この魔美のキャラクターはとても惹きつけられるものではあるのですが、

彼女だけではこの作品名はここまで評価されなかったでしょう。

実はこの作品で最も評価が高いのは、もっと言えば、藤子作品においても常に人気の上位に来るのは、実は高畑くんです。

高畑くんとは魔美の同級生で、頭が良くて、冷静沈着で、正義感は強いが、魔美のように子どもっぽさはなく、あくまで論理的に判断する。

だから高畑くんは常に魔美を導き、しばしば意見対立もしながらも協働していく。

魔美もそんな高畑くんに絶対の信頼を置き、寄り添っていく。

そんな高畑くんの姿に、世の少女のみならず少年たちからも指示され、羨望の眼差しで見られたわけです。

なにせ、こんな可愛い子と一緒に居られるわけですから、羨ましくないわけないですよね(笑)

実はこの第1話で高畑くんは、自分の周りで起こる現象は、自分の超能力の仕業だと思ってしまうわけですね。

ところが魔美は魔美で、そうではないことに気が付いてしまう。

 もう、まちがいないわ。あたしは超能力者(エスパー)!!

ところがこの話ではここまで。高畑くんは勘違いしたまま終わるんです。

これが後々波乱を起こすわけなんですね。

その辺の心理描写も面白いんです。

それはまたいずれ取り上げてみたいと思います。

ちなみに、エスパー魔美はアニメ版もなかなかの傑作です。

原作、アニメ版ともに是非ご覧になってみて下さい。

老使徒


藤子・F・不二雄大全集 エスパー魔美 コミック 全5巻完結セット (藤子・F・不二雄大全集)



アニメ「エスパー魔美」アニバーサリーDVD-BOX